脳内模写

言葉で描ける考え事の断面。

再上京のこと

昨年の確か12月7日に書き置きを残して実家を出た。東京を去るまで住んでいたシェアハウスにまた転がり込ませてもらい最初は日雇いバイトから生活を始めた。

実家を飛び出してしまったのは何歳になろうと親から見ると自分は子供で、ここにいては自分で自分を自己管理するのは無理だろうと思ったから。

実家にいると、何時に寝て起きる、お酒をどれくらい飲む、お風呂に入る、洗濯をする、何を食べる、といった基本的なことで親の世話になってしまう。だけど出戻りする前の僕はどんな面倒事でも起こしてしまう厄介な奴だったので何から何まで親が気にかけるのも無理はない。再上京後に人間らしい生活を送れているのは実家で生活を立て直せたお陰だから東京で破滅した僕に帰る場所を与えてくれた両親には頭が上がらない。

しかし地元にいて感じたのは疎外感で、同級生や幼馴染みたちが二人目の子供を授かるなか僕は出勤すらままならず実家の世話になってる社会不適合者だったし親族一同も皆まともな人間で、やはり僕だけがダメな奴だった。

去年はなんとか父の農作業を手伝ったり知り合いの会社に雇ってもらったりはしていたものの自分で生きているという実感は無く死なないための理由を探すのが生きてる理由という状態でとにかく東京が恋しかった。もし再上京できたら、今度は遊び呆けたり悪いことをしたり病気を理由に退職したり家事や食事を怠ったりしするつもりは無いから、今度こそは生活と精神の安定のために地道な努力を重ねていきたいから、それが自分を許せる唯一の方法だと思ったから、でもそんなことを聞き入れてくれる信用はとっくに失っていたから、と思って家出した。

再上京から半年、今のところ生活はできています。 これから先もずっと穏やかに暮らせるように努めています。