脳内模写

言葉で描ける考え事の断面。

とりとめのない夢日記

今日の夢はなかなか楽しかった。

僕は夢の中で、大量の荷物を背負いながら高校時代に履いていた赤いコンバースのスニーカーを履いており、最寄りの駅からスケボーに乗るかの如く、その靴で滑って街を颯爽と切り抜けていった。不思議と漕がなくても勝手に進んでいき、そのスピードはその辺のローラーブレード中学生を追い越す程。僕はいよいよ怖くなり、滑走を止めて普通に歩こうと思ったのだが、止め方が分からない。そもそもどの様にコントロールして滑っているのかも分からない。一応自分の意志で曲がる事は出来たが、どれもキワキワで曲がりきって、車に轢かれたり人ごみにボーリングよろしく突っ込んだりする寸前で、あわや大惨事。

絶妙なバランス感覚でコンバースを乗りこなすのも最早これまで。僕は線路を越える高架に繋がる階段を登るため、その手前で停止を試みた。と言っても止まり方は分からないので、大量の荷物を緩衝材に大転倒を演じてみせた。時速20km/h程の速度で滑走していたために何回転もゴロゴロと転がり続けてやっと止まった。先程追い越したローラーブレード中学生軍団はドングリのような目をして僕を見ている。僕は立ち上がったが、靴が上手く地面を捉えない。まるでスケートリンクの上を歩くかの様にツルツルと滑る。気が付くと両膝には深い切り傷が刻まれていた。

僕はおぼつかない足取りで手すりを頼りに階段を登っていた。やがて登り切ると疲れて倒れてしまったが、不思議とコンバースだけでなく僕自身の摩擦係数も低かった様で、自衛隊式の匍匐前進が楽に行なえた。一蹴りで5mはスイスイと滑っていく。そのまま調子良く家に着いたところで、これが夢であると気付いた。とりあえず鏡に向かって自分の腕の長さを確認すると、前髪がパッツンになっていることに気付いた。絶望的に似合っていない。髪を掻き上げると表面以外は白髪で満たされていて絶望が加速した。

今日は学校に行く予定(現実にそう思っていた)を中止し、空でも飛ぼうと思った。夢から覚めない様に注意深く意識を集中し、フラフラと空に飛び上がる事ができた。近所を空中散歩していると、動物園から熊が逃げてきたなどと下で騒がれていた。僕は急いで家に帰り、ロボットスーツに乗り込んだ。ガンダムを洗練した様な外観で、肩にはロケットパックを装備し、折畳式の翼を背中に備えていた。主要兵装はグレネードランチャー付きのマシンガンで、スナイパーライフルとして運用することも出来た。装甲は小銃弾を跳ね返す程度には厚かった。

戦闘態勢に入った僕は勢い良く網戸を突き破って出撃し、哨戒体勢に入った。空中を徘徊していると主犯格らしいテロリストのオッサン二人組を発見した。いかにも悪そうな髭面で、街中には似合わない迷彩服を着込んでいた。地上部隊の仲間と無線で連絡を取りながら、徐々に間合いを詰めていった。僕は空中から閃光弾を放ち、まずは敵を威嚇した。敵の気を引いてるうちに地上部隊が敵を包囲した。僕は空中からマシンガンを何回か掃射したが、敵に致命傷を与えるには至らなかった。反撃も熾烈で、マシンガンでの反撃と共に空中機雷をばら撒き始めたので仕方なく着陸した。双方物陰に隠れながらの銃撃戦を繰り広げ、地下鉄への入り口に敵を追い込んだ。ちなみに動物園も地下鉄も現実のうちの近所には無い。

数発のグレネードを地下鉄入り口にお見舞いしたが、あまり効果は無かったようで敵を取り逃がしてしまった。ここで母から目覚ましの電話が鳴り僕は現実に引き戻された。