脳内模写

言葉で描ける考え事の断面。

シェアハウスと私

 東京に来てシェアハウスで暮らしてから2年以上過ぎました。2011年の10月10日からなのですが早いものです。私にとってシェアハウスがどういうものなのか、どうして住んだのか、住み続けようと思うのか、まとめて残しておこうと思います。

◯シェアハウスについて
 いま私の暮らしている妖怪ハウスは、妖怪のような奇人変人が集まる家という意味でこんな名前になりました。多分。リビングに行くと同居人のお客さんがいたりして、出掛けなくても家が遊び場になっているのがとても楽で面白いです。楽なのは大事ですね。だるいと続けられませんから。人を家に呼びやすいというのもあります。呼んだ友人が同居人と友達になってくれれば、また来たいと思ってもらえたりしますからね。色んな人と知り合えるのが楽しいと言えば聞こえがいいですが、私は淋しがり屋なのでいつも家に誰かがいてくれて助かっています。
 それと家電や食器や家具などなどを揃えなくても住めるので、東京に出て来ようと思っていたりこれから一人暮らしを始めようという人にもおすすめです。
 一人になれなくて気を使わないのかと疑問を持つ人も多いのですが、うちの家の場合は疲れてるから寝ると言えばそっとしておいてくれるので楽です。誰かに迷惑をかけていたらごめんなさい。ルームメイトが寝ていても共用スペースのリビングがあるので、そこで本を読んだり作業をしたりできるのもうちのメリットです。
 うちの欠点としては散らかっているところでしょうか。雑然としたスラム状態です。ゆるい雰囲気で居心地はいいんですけどね。良く言えばですが。

◯住んだきっかけ
 二年と少し前、私は大学を中退し、一人暮らしのアパートを引き払って実家で過ごしていました。この時期はかなり悲惨で、毎日お酒と薬を沢山飲んで朦朧としながら、淋しくてツイッターSkypeのIDを晒して色んな人に相手をしてもらったりしていました。躁鬱の波も酷くて、躁の時は衝動買いに走ったり、欝の時は自殺未遂に走ったり、とにかく未来の無い日々でした。家族は温かかったのですが、大学を中退してバイトやフリーランスで働こうとしている友人が周りにいなくて孤独感に苛まれていました。
 そんな時に同じように実家で陰鬱と暮らしていた友人が、東京のギークハウスに遊びに行ってとても楽しそうにしていたのをツイッターで見て興味が湧きました。私もここに行けば楽しいことがあるかなと思って、どうせ死のうと思っているしネットで交友のあった人にも死ぬ前に会いたかったしと、東京に遊びに行く計画を立て、ギークハウスに泊めてもらえるか尋ねてみました。正確に言うと、その友人がツイッターに現れた時を見計らって東京で泊めてくださる人はいませんか、と投稿しました。すると快く、うちに来なよとお誘いしてもらえて、そうして訪れたのが最初のきっかけでした。2011年の8月のことです。
 ギークハウスに泊まっている間は住人やゲストの人たちと仲良くしてもらえて、それから何度か東京に遊びに行くようになりました。遊びに行くうちに住まないかと誘ってもらえるようになったのですが、その時は仕事を次の春までに切りをつけてから引っ越すと返事していました。しかし、ちょうどその年の秋に掛け持ちしていたバイトに行けなくなってしまい、見かねた友人が「俺が面倒を見るから今すぐ来い!」と強く言ってくれたのが背中を押してくれて、引っ越す決心をしました。私の親も、東京に行って元気になって、実家に帰って鬱々としている姿を見ていたので、東京だと元気に暮らせるようだし親切な人がいるシェアハウスなら安心して送り出せると、ギークハウスに引っ越すことを許してくれました。
 これが一部始終ではありませんが、私がシェアハウスで暮らすようになった経緯はほぼこの通りです。

◯こだわっている理由
 私は大学のころ自分の居場所が欲しくて、いくつかの団体やサークルやゼミやイベントや人の集まりに顔を出していました。自分のことを変わり者だと言うと恥ずかしいですがいわゆる浮いている人間だったので、同じような人同士で集まって何か交流のできる場を作れないものかと思っていました。学生団体のようなものを立ち上げてみたり、友人の会社を手伝ったり、廃村に学生村を作ってみたり、色々やってみたんですがどれも続けられずに逃げ出してばかりでした。
 そうして大学を辞めてからも人が集まる場所を作ることに興味があったのですが、ちょうどシェアハウスに私の求めていた場がありました。当時のギークハウスは奇人変人病人無職、とにかくどんな人でも危ない人で無ければ受け入れてくれる懐の広さがありました。私が東京に出てきた当時は入居予定の家がまだ始まっていなかったり職も無かったりしたのですが、友人が部屋を間借りさせてくれたり同居人と一緒に仕事をさせてもらったり、何から何までお世話になりました。
 私にとってギークハウスが駆け込み寺のような存在だったので、また他の人に対してもそうであったので、次は誰かの役に立てればと思います。そして大学にいた頃から作りたかった変わり者でも受け入れてくれる場だったので、今の家はギークハウスという看板ではなく妖怪ハウスを名乗っていますが、シェアハウスを続けて面白そうな人をどんどん呼んでどんどん面白い家にしたいなと思います。
 臭いことを書いてしまって恥ずかしいですが、まとめると単純に楽しいから続けたいって感じですね。

 あくまで私の目を通して見たシェアハウスについての文章なので、世の中には他にも色んな性格のシェアハウスがあります。それぞれの良さと悪さがあると思うので、遊びに行ったり住みたいと思っている方はそれぞれの家のことをよく調べてくださいませ。

 それでは読んでくださってありがとうございました~!