誤解吾戒五回
- コミュニケーション
- 意思疎通
- 分かち合い
- 発生
- 伝達
- 拡散
- 誤解
- 発散
- 断絶
- 収束
なんだろう、人は言葉を使う。動物もある程度の抽象的な思考力はあるらしいけど、人間は言葉の力でそれを大きく増大させている。そして、動物と決定的に違うのは、その思考を他者と共有できること。発した言葉は空間・時間を超える。
しかし、超えられない壁がある。それは理解の壁。私たちは私たちの見聞きしたいものしか受け取れない。世界に直接触れることは叶わず、認知の膜越しにしか感じることが出来ない。認知の膜を通過できるのは私たちが関心を払う、欲しいと思う情報だけ。後はバッサリ捨てられる。
そして、認知の膜を通過した情報たちは、私たちの思考の中で再構築される。どの様に組み上がるかはその人次第。その人が組みたいように組み上げる。そこに発信者の意図は介在しない。
このようにして、言葉-情報は発信者の手を離れて受け手・読み手のモノとなる。言葉を発した人の意志は届かない。拡散するけれど意図は発散する。そして膜越しの情報は元の持ち主から断絶し、受け手という新たな持ち主のモノになる。
こうして人々は互いに何も通じることが出来ず、誤解と錯覚だけが蓄積する。