脳内模写

言葉で描ける考え事の断面。

観察者としての自分と被造物としての世界

僕の主観という“何か"は唯じっと世界を眺めている。誰かが作ったこの世界をじっと眺める事だけが、そして眺めることでその世界を自分の中に取り込んでいくことが、それが彼の、僕の使命なのである。


僕は、彼は、どんどんと世界の模倣を続けた。時には世界に干渉もした。そうして世界がどの様なものであるのかを、体で、心で、会得して行った。時に世界は矛盾した。相反する二つの事柄を同時に飲み込めと、下りながら上れと言うかのように無理難題を押し付けた。その度に僕は、彼は、選択を迫られた。どちらを選ぶのか、どちらも選ぶのか、または選ばないのか。葛藤していた。


人生は常に選択だ。主観とは選択の主体だ。それ以上でもそれ以下でもない。唯じっと物を見て、選ぶ。それが主観だ。しかして僕は、彼は、全てを欲した。世界が全てが自分の思う儘になれとも、世界の全てが自分の手を煩わせることの無いようにとも。0か一か、曖昧はギルティ。


そうして僕の、彼の公式はますます膨らんでいき、サイコロとしての世界は面白おかしく転がり続けた。